Interview インタビュー 青山極め人

限界に挑む小さな鉄人-トライアスロン〈初等部・小田島 寛奈さん〉

トライアスロン

わずか8歳にして、水泳、自転車、ランニングを連続してこなす。体力だけでなく、精神力の強さも必要だ。そんな過酷ともいえる競技であるトライアスロンを始めたのは1年ほど前。東京2020オリンピック開催に伴い、キッズもトライアスロンを体験できるイベント教室があり、「水泳、自転車、ランも教えてもらえるなんて一石三鳥!」と思い参加したところ、その楽しさに魅せられた。「3種目あるので、最後まで誰が勝つか分からないのが魅力」と話す小田島さん。

普段は登校前に水泳の練習、週末は郊外でバイクとランの練習をするなどハードな生活を送っているが、一度も「辞めたい」と口にしたことはない小田島さんからは“アスリート魂”が窺える。

将来は「トライアスロンのオリンピック選手になりたい」という言葉から、小学生ながらに競技に懸ける熱い想いと意志の強さが感じられた。

 

小田島 寛奈さん

青山学院初等部3年

◆主な戦績
第14回セオサイクル・サイクルフェスティバル キッズ2(3-4年) 優勝
2019昭和記念公園トライアスロンフェスティバル オールキッズトライアスロン大会 小学3年生女子 優勝
第18回成田キッズトライアスロン大会 キッズ中学年(小学3・4年女子) 優勝
第17回新宿シテイハーフマラソン 2km 小学1・2年女子 優勝 他

「青山学報」270号(2019年12月発行)より転載

 

Episodes ―こぼれ話―

紙幅の関係で掲載がかなわなかったインタビューをご紹介いたします。

小田島寛奈さん

──もともと運動は好きだったのですか?
スキーは好きでしたが、最初は走ることはあまり好きではありませんでした。自転車は、1年生の秋頃に補助輪なしで乗れるようになったので、スタートは決して早い方ではありません。家にマウンテンバイクがありますが、重いからあまり好きではないけれど、ロードバイクはすごく楽しくて大好きです。

──練習は相当な量のようですね。
平日は朝6時にプールに向かいます。寝ている私をお父さんが車まで運んでくれて、お母さんの運転でプールに着いたら起こしてもらいます。スイムが苦手なので、みんなについていくのがたいへんです。
休日は朝6時からバイクの練習があるので、同じように寝ている私を練習場まで連れて行ってもらいます。バイクは1回約50キロ、合宿では一日で100キロ位走ります。終わったあとの達成感が大きいです。
大会後も翌週から練習があるので、大会が終わっても休む間がありません。

第14回セオサイクル・サイクルフェスティバル(2019年11月) 
左から3番目が小田島さん(画像左) センターが小田島さん(画像右)

──レースで工夫していることはありますか?
トランディション(スイムからバイク、バイクからランへと競技種目を転換すること)も1つの種目といわれているぐらい、いかに速くするかが大切です。バイクをまだバーに上げることができないので、ロープをつけて、とりやすいように工夫しています。

トランディション

スイムは、わざとではないかもしれませんが、ひっぱりあったりの戦いがあります。バイクは、「ドラフティング*は禁止」など、大会によってルールが異なります。
*先行する選手の直後を走り、スリップストリームを利用し、また先行する選手を風よけとして、競技を有利に展開する戦術。

──大会前から、「今回は上位に入れそう」といった自信はありましたか?
みんなスイムもとても速いから、今回いけるかどうか分からなかったので、優勝できたことにはびっくりです。
コーチに、「自分の中で勝つイメージを描きなさい。スイムで遅れても、トランディション、バイクで1位になるシミュレーションをしなさい」と言われて、前日あたりからイメージトレーニングしながら、「私はできる、勝てる」と唱えていました。

──「トライアスロンのここがいい!」と思うところを教えてください。
最初から最後まで結果が分からない、ぎりぎりで勝つかもしれないことです。たとえ最初がだめでも、途中から巻き返しができるのは面白いところだと思います。
それから、泳いだり、バイクに乗ったり走ったりするので飽きません。

──マラソン大会にも出場されていますね。
お父さんと親子マラソン(2km)にも参加しました。でもお父さんにもっと速く走ってほしかったです(笑)。お父さんはラグビーやラクロスをしていて筋肉が多いのか、最近太ったのか、短めの距離を速く走るのは昔より辛いみたいです。

──トライアスロン以外ではどのようなことが好きですか?
3歳から始めたスキーです。スキー検定2級を持っているので、今年1級に受かったらスノーボードにも挑戦したいと思っています。
トライアスロンの練習がほとんどなので、あまり時間はありませんが、テレビを観たり、ゲームで遊ぶことも好きです。初等部ではアマチュア無線クラブに入っていて、無線を作ることも好きです、うそ発見器とか(笑)。

──将来の夢はありますか?
トライアスロンのオリンピック選手になりたいです。
佐藤優香選手や上田藍選手は大会でたくさん優勝していて、笑顔も素敵で憧れています。

──最後に、これからの目標を聞かせてください。
オールキッズトライアスロン(全国大会)で連覇したいです。それと、自分が出場する大会で全部優勝したいです!そのために、一生懸命努力します!!