Interview インタビュー 青山極め人

氷上を舞う透明感溢れる妖精〈中等部・鳥居 琴子さん〉

フィギュアスケート

浅田真央さんが楽しそうに滑る姿を見て、6歳からフィギュアスケートを始めた鳥居さん。いろいろなジャンプやスピンができるのが楽しくて、スケートが生活の一部になった。大変なこともあるけれど‟もっとうまくなりたい”と思うから、苦には感じないという。
「都大会※1は全国大会出場がかかっているため、足がガクガク震えるぐらい緊張しましたが、全国大会※2は出場できること自体がうれしいので、楽しく滑ることができました」と大会を振り返る。全国大会が終わると、お母様がいつも「ここに連れて来てくれてありがとう」と言葉をかけてくれることがうれしいと笑みがこぼれる。普段も遠方での練習や大会に付き添ってくれる心強い存在のようだ。
試合前日のルーティンは、ノーミスの演技をイメージしてから眠ること。自身のために仕立てられた衣装を纏うと、気持ちのスイッチが入るそうだ。
「将来はフィギュアスケートの振付師か、スケート専門の整形外科医になりたい」という夢を抱く。支える側という別の立場でもスケートと関わり続けていきたいという想いが感じられた。

 

鳥居 琴子さん

青山学院中等部1年

◆主な受賞歴
2021東京フィギュアスケート選手権大会 ノービスA女子※1 優勝/第25回全日本フィギュアスケートノービス選手権大会※2 8位

「青山学報」279号(2022年3月発行)より転載

 

Episodes ―こぼれ話―

紙幅の関係で掲載がかなわなかったインタビューをご紹介いたします。

鳥居琴子さん

 

──主にどこで練習していますか?
所属しているチームのある明治神宮外苑アイススケート場です。練習できるところが少なくて、山梨県などへ行くこともあります。

──都大会で優勝し、全国大会への出場が決まった時の気持ちはどうでしたか?
ただただうれしかったです。1本目のジャンプで失敗してしまって不安だったけれど、意外と高得点が出てホッとしました。逆に、これまでの大会で自分が思ったよりも点数が付かなかったなと感じたこともあります。

鳥居琴子さん
[左上]初めてスケートをした日(3歳)。従姉妹とミッドタウンにて
[右]同日お父様と

──これまででうれしかったことを教えてください
全国大会が終わるとホッとしてホテルの温泉でくつろいだり泳いだりして楽しんでいます。そこでお母さんから「連れてきてくれてありがとう、楽しかった」と言ってもらえるのがとてもうれしいです。

──苦労したこと、大変だったことは何でしょう?
ノービスBの1年目の時、出場できると思っていなかった全国大会に出場することができたのですが、事前練習でまわりの選手のレベルが高すぎてお腹が痛くなってしまって、試合が終わるまでの2日間、何も食べられなくなってしまいました。

──体力はもちろんのこと、メンタルの強さも必要なのですね
コーチは「楽しんで」と言ってくれます。毎回緊張しますが、演技が始まると忙しすぎて緊張を忘れてしまいます。

──普段は滑ること以外に、どのようなトレーニングをしていますか?
トレーニングの先生がいて、インナーマッスルを鍛えるトレーニングをしています。

──体型キープなどのために、食べ物に気をつける必要はありますか? 試合前に決まって食べるものはあるのでしょうか
今のところ特に気にしていません。うどんが好きですが、試合前はカツを食べることが多いです(笑)。

[右上]初めての全日本ノービス選手権。大阪へ

 

──憧れの選手はいますか?
同じチームの樋口新葉選手(北京2022冬季オリンピック競技大会代表)で、楽しそうに滑っているところが好きです。実際に会えた時はとてもうれしかったです。

──振り付けはどのように決めるのですか?
音楽は自分の好きな曲を選ぶことができるのですが、振付師の先生が音楽に合わせて振り付けを作ってくれます。そして曲と合わせていくうちに、どんどん変えていってくれます。もともとダンスが好きだからか、振り付けを覚えるのは早いほうかなと思います。

──スケートシューズや衣装はどのように選んでいるのですか?
シューズは試しに履いてみた感覚で選びます。衣装はお母さんと、どんな雰囲気、色が良いかを決めて、衣装さんと相談して作ってもらいます。出来上がった時は感激です。
試合の時のメイクはお母さんがしてくれますが、あまり詳しくないので、こだわりはありません。

[中央上]移動中に宿題。5分と持ちません(お母様談)
[右上]試合後はいつもショートケーキでお疲れ様会
[下]全日本ノービス選手権、試合直前に芝生でアップ(2020年)

──新型コロナウイルスの影響で練習ができなかった時期はあったのでしょうか
スケートリンクでの練習は6か月ぐらいできませんでした。でもトレーニングは続けていたので、久しぶりでも時間はかからずに元のように滑れるようになりました。

──学校の好きなところや好きな授業は?
行事が楽しいし、友だちがフレンドリーで、先生方も優しいところが好きです。授業は体育が好きです。初等部の頃から先生方も応援してくれて、特に飛田浩昭先生が応援をしてくれていました。

──今後の目標を教えてください
来年から、現在のノービスからジュニアに変わる*ので、大学生までの選手たちと同じカテゴリーになるのですが、その中で全日本フィギュアスケートジュニア選手権に出場できるようにがんばりたいです。
*「ノービスB」は小学校3~4年生(9~10歳)でシングル3級以上、「ノービスA」は小学校5~6年生(11~12歳)でシングル4級以上。フィギュアスケートでは7月1日時点での年齢でクラスを分ける。その後はジュニア(中学・高校生、シングル6級以上)→シニア(15歳以上シングル7級以上)へとランクアップする。

──これからの活躍も楽しみにしています。

★取材時、同席していた友人から見た鳥居さん★

幼稚園からの付き合いですが、失敗をおそれず、いつでもクールです

 

第25回全日本フィギュアスケートノービス選手権大会