Interview インタビュー 青山極め人

King of Muscle -二人の世界王者-〈大学パワーリフティング部・佐竹優典さん、木内陽介さん〉

3種目の合計挙上重量を競うスポーツ、パワーリフティング。“真の力持ち”“King of Muscle”を決める競技とも言えるこのスポーツに魅了された佐竹優典さん(写真左:総合文化政策学部4年)と木内陽介さん(写真右:社会情報学部4年)。二人は数々の大会で輝かしい戦績をあげ、2018年9月に行われた第36回世界ジュニアパワーリフティング選手権大会(南アフリカ共和国)では揃って優勝、世界チャンピオンになりました。
ともに入学した春日部共栄高等学校で、パワーリフティングと運命の出会いをします。大学も同じ青山学院大学に進学。7年間、互いに切磋琢磨しながら、同時に世界の頂点に立ちました。映画さながらのストーリーを歩んできた二人と、偉大な先輩の跡を継ぎ、新主将となった石川裕士さん(総合文化政策学部3年)にお話を伺いました。

(2018年12月11日インタビュー)
実力で手に入れたメダルたち
実力で手に入れたメダルたち。向かって左から第36回世界ジュニアパワーリフティング選手権大会、第48回世界男子パワーリフティング選手権大会、2018年アジアパワーリフティング選手権大会

 

──なぜパワーリフティングの道を選んだのですか?
佐竹 中学の時は野球部でしたが、もともと体を鍛えることに興味があり、たまたま見つけたパワーリフティング部を見学・体験していたら、先輩がすごく褒めてくれて、うまく乗せられてしまったという感じです(笑)。
木内 以前は剣道部でしたが、別の競技を新しく始めたいと思っていたところ、パワーリフティング部が世界ジュニア選手権に出場するなどの実績があると知って見学に行きました。あとは佐竹とほぼ一緒です。褒められて、そのまま……(笑)。

──二人は高校1年生からライバルなのですね。
佐竹 切磋琢磨してきました。当時は階級も一緒だったので記録を競い合っていました。二人で競い合っているうちに気付いたら……。
木内 まわりにライバルが誰もいなくなっていました。

──7年間、一緒に前進出来る仲間・ライバルがいることで、お互いに高みに昇っていこうという意欲が出ますよね。これまでにくじけそうになったときはありますか。
佐竹 今のところないですね。
木内 大学に入ってからの1年間で、記録が2.5㎏しか伸びない時期がありました。スケジュールが厳しくて、バランスを取ることに苦労していました。そこで、短い練習時間で効率的にと考え方や練習方法を変えたら、少しずつ記録が伸びてきました。
佐竹 最近新しくコーチの方がついてくれましたが、それまでは監督もコーチもほぼいない状態で、学生主体で練習メニューや理論的な部分などを考えました。
木内 実は高校の時も、指導者からの押し付けではなく、自分たちで考える練習方法だったので、身についていた形でした。

──世界チャンピオンという称号を獲った今のお気持ちはいかがですか。
佐竹 高校生の時にサブジュニア部門(18歳以下)で世界チャンピオンになって、大学に入学後はその上のジュニア部門(23歳以下)の世界チャンピオン獲得を目指して練習してきましたが、いざ獲ってみると意外と「こんなもんか」と淡々としていました。2018年11月にスウェーデンで行われた世界選手権の一般部門で獲ったメダルの方がうれしかったですね。
木内 優勝したことより、デッドリフトの世界記録を更新したことがうれしいです。今まではジュニア部門でしたが、一般部門に行けば当然まだ上はいるので、ようやくここで戦えるレベルにはなったなという状態です。

──卒業後のパワーリフティングとの関わり方や目標を教えてください。
佐竹 オリンピック競技大会に採用されていない種目の競技が行われる「ワールドゲームズ」という大会が4年に1度、国際オリンピック委員会の後援で開催されていて、2021年の大会に出場したいと思っています。環境が変わってしまいますが、バーベルがない生活は考えられないので、何とか頑張っていきたいですね。
木内 2019年2月開催のジャパンクラシックでメダルを獲ること(広報部注・一般男子及びジュニア男子66㎏級で見事優勝)、そしてその先の世界大会でもメダルを獲りたいですね。

──あなたにとってのパワーリフティングとは何か教えてください。
佐竹 生活の一部です。ない生活が考えられない。
木内 7年間活動してきて、もはや生活の一部ですね。

──石川さん、先輩に二人も世界チャンピオンがいて、相当なプレッシャーではないですか。
石川 そうですね(笑)。先日の全日本大会では団体戦で優勝できましたが、僕が失格したら団体戦が全部だめになってしまうという状況でした。
木内 優勝することしか許されない状況で頑張っていました。
佐竹 0か100かの状況でした。頼もしく成長してくれましたね。
石川 頼もしい後輩もいるので、逆に僕がもっと頑張らなければと思っています。

──後輩からみて二人はどのような先輩ですか。
石川 全てが真逆です。練習方法も考え方も……。二人のすごい先輩がいて、どちらを目標にすればよいものか、と未だに迷うほどです。佐竹さんは努力型、木内さんは天才型と言われることもありますが、実際にはどちらも努力型だと思います。

石川裕士さん(現主将)
新主将 石川裕士さん

──最後に後輩へのメッセージをお願いします。
佐竹 自分がしっかり頑張ることが結果として部のためにも繋がっていきます。頑張ってください。頼りにしています。
木内 競技的には一人で行うものですが、助け、教え合えることが〝部〟の強みだと思います。何か壁にぶつかるようなことがあれば、自分だけで考えずに、話し合ったり情報交換を欠かさない団体であってほしいと思います。

──ありがとうございました。

さらなる高見を目指して

【広報部注】
青山学院大学2018年度体育会表彰において、佐竹さん、木内さん共に、最優秀賞(全10名)の表彰を受けられました。

 

種目紹介

【スクワット】
スクワット
バーベルを肩に担ぎ屈伸を行う、佐竹さんが得意とする種目

 

【デッドリフト】
デッドリフト
床に置いてあるバーベルを引き上げる、木内さんが得意とする種目

 

【ベンチプレス】
ベンチプレス
ベンチ台の上に横になりバーベルを胸につけて挙上する種目

 

二人の主な戦績

・第36回世界ジュニアパワーリフティング選手権大会(2018.9)
佐竹選手:59kg級 優勝
木内選手:66kg級 優勝(2年連続)
・第45回全日本学生パワーリフティング選手権大会(2018.8)
佐竹選手:66kg級 優勝
木内選手:74kg級 優勝
・第37回全日本ジュニアパワーリフティング選手権大会(2018.5)
佐竹選手:59kg級 優勝
木内選手:66kg級 優勝 文部科学大臣賞(最優秀選手)
・佐竹選手
ジュニアトータル世界記録、一般・ジュニアスクワット、ジュニアベンチプレス、一般・ジュニアデッドリフト、一般・ジュニアトータル日本記録保持者、スクワット、トータル全日本学生記録保持者
・木内選手
ジュニアデッドリフト世界記録、一般・ジュニアデッドリフト、ジュニアスクワット、ジュニアトータル日本記録保持者、デッドリフト、トータル全日本学生記録保持者

「青山学報」267号(2018年3月発行)より転載