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中国語①「热烈 欢迎! 中国語教室」【青山学院中等部3年生選択授業】

1971年に始まった中等部3年生の「選択授業」。中等部生たちの個性をいかし、将来の可能性を伸ばすよう、様々な分野の授業を用意しています。
詳しくは、まとめページをご覧ください。

今回は「中国語」の授業を取材しました。

授業レポート第1回

中等部の選択授業“中国語”が熱いと聞き、5月下旬の水曜日、中等部校舎に向かった。

中国語特有のリズミカルな発音が聞こえてきた廊下の先のPC教室。
そこで中国語の選択授業が行われていた。

中国語の授業)
PC教室で行われていた中国語の授業

 

徹底したコロナ対策がされており、PC1台ごとに仕切られた個室のような席に着く生徒たちは、先生を一心に見つめている。担当の柳本真澄先生は、ホワイトボードに投影したスライドと板書を駆使し、生徒たちに新しい文字、音、用法を教え、そして自ら考え、発音させる。しきりに「聴いて覚えて」と、音を聴くよう、真似して発音するよう促す。
聴いていると、思わず一緒に発音したくなる先生の発音の美しさと強い牽引力にひきこまれる。

新しい言葉の導入を終えると、次は会話練習に入る。
柳本先生と補佐の先生同士の会話を聴かせ、生徒に訳させる。質問に中国語で答えさせる。続いて全部否定、部分否定で答えさせる。文章を並び替えさせる。それが矢継ぎ早で行われるのだから、少しも気が抜けない。ノートや教科書を見ようとする生徒に対し「字に頼らない。聴いて分かるようにして」と先生の檄が飛ぶ。その熱量がすごい。しかし生徒たちも負けてはいない。「分からない」「難しい」と言いながらも、懸命に音を聴き、聴き分け、発音して必死に付いていっている。
授業も終盤に近付くと、最初ぎこちなかった発音が、美しい旋律を奏でるように綺麗な音になっていくのが素人にも分かる。

中国語の授業)
左:先生同士の会話の聴き取り、右:当てられた生徒が問題を解く

 

会話練習が終わると、eラーニング(インターネットを利用した学習)が始まる。
それぞれのペースで、問題を解いていくのだが、生徒の問題を解くスピードが速い。今日が3回目の授業だというが、その進みの早さの謎がここで解けた気がした。

中国語の授業)
eラーニングのソフトで学ぶ

 

生徒たちがeラーニングで問題をこなしている最中、先生から次週テストを行う旨の連絡があった。「8点以上取れないと再テストです」
8割以上とは厳しい。しかも10点満点中8点以上取れるまで再テストが続いていく。
授業終了後、先生に「なかなか高い基準ですね」と声をかけると、「そうですね」と苦笑された後、「最初が重要。初めから甘やかすわけにはいかないので」と言われた。
確かに、言語学習において基礎が出来ているのと、出来ていないのとでは、後に大きな差になって表れることがある。
「はじめから甘やかすわけにはいかない」そこには、言語を教える厳しくも優しい目があるようだった。

先生へのインタビュー

──授業のねらいを教えてください。
メディアでは中国に対する良い情報はあまり流れてきません。偏りのある情報しか日本では報道されていない面があるので、生徒たちが先入観を捨てて、フラットな目で、中国を想像できるようになってくれればと思っています。
授業では、中国語(語学)中心の勉強となりますが、映画を観たり、中国茶の茶会を開いたり、状況が許せば博物館見学や調理実習をするなど、総合的に中国を学んでほしいと思っています。

中国語の授業)
担当の柳本真澄先生

 

──今年のクラスはどうですか?
授業で接したことのない学年のため多少不安がありましたが、生徒たちは心を開いてくれています。前向きで物怖じしないで発言してくれるので、授業にも活気があります。

──eラーニング導入の経緯についてお聞かせください。
学生時代、開発段階のeラーニングシステムで学習したことがあり、学習効果は身をもって体験していました。もちろん最初の大変さはあったのですが、気が付いたら、周りとだいぶ違う位置にいる、他人より出来るようになっていたという感じです。その後私は、eラーニングの開発に携わった恩師との縁で、企業講師を務める経験をするなど、中国語を教えることへの興味を持ち始めました。
本学中等部着任後、そのシステムがさらにパワーアップし、大学・企業向けに売り出しているのを知ったのです。そこで今までのご縁を話し、中等教育では日本で初めて、本学中等部で中国語のeラーニング(株式会社WizWeの「Smart Habit」の『超速中国語』)を授業で導入させてもらえないかと相談しました。

 

──生徒たちの反応はどうですか?
授業時間は限られていますが、eラーニングを使うことで、たくさんの音のシャワーを浴びることが出来ます。中国語では学習を始めるとつい文字に頼りがちになってしまいますが、正しい発音をたくさん聴くと耳に残ります。その役割をeラーニングが担ってくれます。今年はクラスが10人と少人数なので、一人ひとり指名することが出来、間違った発音をしたら、すぐにフィードバック出来ますが、人数が多いと一人ひとり指名していくことが出来ません。そんな時にも役立ちます。
また、学習に慣れてきますと、eラーニングソフト上でどこで間違えたのか分析出来るようになり、苦手な傾向が自分で読めるようになりますし、音の選別が自然に出来てきます。

──なかなかeラーニングは続けるのが難しい、モチベーション維持が難しいという印象がありますが。
生徒たちは自分で選んでこの授業を受けていますので、続けるのが難しいという生徒はいません。生徒たちのアンケートを見ても今年は「将来の自分にいかせる」「大学以降の学びにつながる」という理由で選択したという回答が多く、内発的な動機付けが出来ているといえます。私も経験があり、学習する辛さをよく分かっていますが、生徒たちは、無理やりやらされているわけではないので、高いモチベーションを維持出来ています。

中国語の授業)
みんな必死に付いていく

 

──今後の授業展開、ポイントについて教えてください。
この授業では、半年間(週1回)で全員が中国語検定準4級の合格を目指しています。
毎年この目標は達成していますが、受講者の中には年度末の3月に4級に合格する生徒も出てきています。

──中国語検定4級というと大学1年生の単位が免除されるほどの資格ですね。それを1年でしかも中学生の段階で取得するというのはすごいですね。
ただ、生易しいものではありません。
そのためには、まず単語、語彙を豊富にしていろいろなポケットを増やしていく必要があります。自分たちで文章を組み立てていけるように。
中国語は文法から入ると、どうしても漢字に頼りがちになってしまいます。「筆談なら出来るけれど」というのではなく、やはり最終的には話せるように、実践的なコミュニケーションにつながるようにしてほしいと思っています。

──生徒たちへメッセージをお願いします。
言語は血が通っているものだと思うので、言語を知ることで、文化も学んでほしいです。
メディアの情報を鵜呑みにするよりも、自分の価値を基準にものさしを作ってほしいですね。

──ありがとうございました。

 

生徒インタビュー

生徒の皆さんは授業が終わると、頭が熱くなるといいます。そんな生徒の皆さんの感想を聞いてみました。
──中国語の楽しいところは

Kさん 初めてやることだから楽しい! 初めて自分の意思で選んだ言語を学んでいるので楽しい!!

Sさん 仲良く和気あいあいと出来るところがいいです。先生も楽しいです。

Tさん 話していることが分かった時はとても楽しく感じます!

──難しいところは
Kさん 声調! 発音が難しい!!

Sさん 日本語や英語と違う独特の発音や記号があって新鮮ですが、そこが難しいところです。

Tさん 漢字の読み方、組み合わせが難しくてなかなか覚えられません。

──eラーニングで学習してみてどうですか
Kさん 耳で聴くので身につく。また授業も分かりやすくなる。

Sさん パソコンは苦手ですけど、このシステムだと頑張ろうという気持ちになります。
問題を間違えると「ブーブー」という音がなるので、がんばろうという気持ちになります。

Tさん 練習問題が多いので、出来るところと出来ないところが分かって、自分の中で整理することが出来ます。

──授業の感想を教えてください
Kさん みんなでやるので、楽しく学んでいます。授業中当てられると緊張するけど、新しいことを学べるのは楽しい。それに今後役に立つことを特別授業で学べるのはうれしいし、選択授業に選んで良かったと思っています。

Sさん 今はまだ不安ですが、中国語検定4級に受かるようがんばろうと思います!!

Tさん 宿題が多くて大変だけれど、それだけ身に付く! 合格するようにがんばりたいです。

次の授業レポートは、カルタ取りの予定です。疑問文や否定文の作り方、文の並べ替え問題に頭を抱え、不安そうだった生徒たちが、カルタ取りの授業までにどんな成長を見せてくれるのか楽しみです。

(取材:茂/香/聖)

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