Christianity キリスト教

青山学院のステンドグラス〈3〉 中等部

神聖な空間を厳かに照らし出す

2018年に中等部待望の礼拝堂が完成し、礼拝堂正面には青山学院講堂から移された高さ2メートルほどの十字架と、新たに制作されたステンドグラスが設置されています。このステンドグラスは、中等部卒業生で画家・絵本作家の堀川理万子さんが、代々木公園にあるサイカチの老木から着想を得て「生命の樹」をデザインしたもので、制作は大竹ステンドグラスにお願いしました。

デザインを担当されたことについて堀川さんは「母校の青山学院中等部に礼拝堂ができることになり、そのステンドグラスの原画を描かせてもらうことに決まったのが5年前。図面を見ると高さ6メートル。大きい。。。光栄だけど、責任重大だぁ、と悩み、悶絶し、わたしなりに勉強をし。。。そして代々木公園にある老木『サイカチノキ』から一部着想を得てこの『生命の樹』の原画を描いたのでした。旧約聖書の創世記にでてくる木。いろいろある私からの熱いメッセージが、生徒の人たちの心地よい生活をさまたげないことを祈ります」とご自身の公式サイトで語っています。

生命の樹

生命の樹
サイズは幅1.5m、高さ6mにもなる

ステンドグラスから差し込む青色の美しい彩光がやすらぎを与えてくれます。

 

あのステンドグラスは今

建て替え前の中等部校舎に、卒業記念品のステンドグラスが設置されていたことを知っていますか。

本校舎玄関ロビーには、第48期生の卒業記念品である「生誕」「受難」「復活」「再臨」を象徴した果実や花のステンドグラス4点と、51期生の卒業記念品である花言葉を題材に「アイリス」「百合」「すみれ」「わすれなぐさ」をデザインしたステンドグラス4点が、南校舎玄関ロビーには、旧約聖書「イザヤ書40章31節」を題材とした第59期生の卒業記念品であるステンドグラスが据え付けてありました。

本校舎ロビー
旧南校舎

〈上〉旧本校舎玄関ロビー、〈下〉旧南校舎玄関口

 

これらの卒業記念品であるステンドグラスは、いずれも中等部教諭の筒井祥之先生がデザインしました。ステンドグラスを卒業記念品としたきっかけと経緯について「私自身、東京カベナント教会のデザインを手がけて初めてこの素材の素晴らしさに感激し、今回48期生の卒業記念品にこのステンドグラスを提案させていただきました。6人の担任で相談した結果、(本校舎玄関)ロビーという場所柄、草花がよいのではないかということになり四つのテーマを選び、それぞれに植物の果実や花をその象徴としてあてはめています」(「青山学報」183号〈1998年3月発行〉)と述べています。

第51期生のステンドグラスはブドウや小麦など複数の植物が提案される中で「アイリス」「百合」「すみれ」「わすれなぐさ」の四つが選ばれました。

また、南校舎玄関ロビーに取り付けられた第59期生のステンドグラスについては、「実際のはめ込む場所は横にかなり細長い形の四つの窓枠の構図で、図案はなかなか浮かばずに苦労しましたが、まず同心円の外側から中心に向かって円の中心を上にずらし、上昇運動を強め、全体を統一するために中心の円から放射線状に直線が伸びる形を基本にしました」(「青山学報」229号〈2009年10月発行〉)とデザインした際にご苦労された点についても語られています。

旧ステンドグラス

現在、これら卒業記念品のステンドグラスはどうなっているのでしょうか。
中等部事務室に確認をしたところ、「すべて中等部倉庫に大切に保管しています」とのことでした。