青山学院のステンドグラス〈4〉 高等部
2021/01/14
2012年3月に完成した高等部北校舎のエントランスには、旧北校舎中央階段から移設されたステンドグラスがあります。
このステンドグラスは44期生の卒業委員会がデザインを考え、12面のうちの2面が卒業記念品として寄贈されました。その後、45期生と47期生の卒業記念として2面ずつが寄贈され、残り6面は、1999年の高等部創立50周年の際に記念事業の一部として後援会および同窓会の協力を得て制作され、完成しました。
ステンドグラスが出来上がった当時、天野景文先生(元高等部教諭)が「青山学報」189号(1999年10月発行)に掲載された「光のファンタジー、ステンドグラス」の中で次のように語っています。
ステンドグラスから差し込こまれる淡い光がエントランスに優しい彩りを添えています。
PS講堂改修の際正面入口を飾ることになったステンドグラス────
天野先生が執筆されたこの一文を見た瞬間、以前、短大礼拝堂の〝天使の像〟について調べたことを思い出しました。そのときは短大礼拝堂に赴き、確認することができましたが、旧PS講堂はすでに解体されているため、直接確かめる術がありません。
そこで高等部事務室の方に伺ったところ「旧PS講堂正面入口に設置されていたガラスは、ステンドグラスではありませんでした」という驚きの回答がありました。
旧PS講堂正面入口 「青山学院高等部50年」より
改めてステンドグラスについて調べたところ、本来ステンドグラスとはステイン(着色、染付、焼き付等)されたガラスを指し、「焼き絵を施したガラス」という意味があるのだとか。日本では、鉛でつないだ着色ガラスもステンドグラスと呼ばれているそうです。
残念ながら旧PS講堂正面入口にあったものは、ステンドグラスではなかったようです……。
たとえステンドグラスではなくても、青山を表す山なみと十字架をデザインの温もりは、当時を知る人たちの心に残り続けることでしょう。