Story ストーリー

青山学院の創立記念日〈2〉創立記念イベント 50・75・100年

明日11月16日、147周年となる青山学院の創立記念日を迎えます。
今回は、節目の創立記念の年にどのようなイベント・行事を行ってきていたかを振り返ってご紹介したいと思います。

 

創立50周年 1932年

前回の記事の通り、男子系の創立記念日は、1882年を起算としているため、1932年に「青山学院創立50周年祝賀記念祭」と称して各種行事・イベントを行いました。
「青山学報」105号(1932年11月28日発行)に掲載されていた記事を中心にご紹介します。

 

タイトル:都の西南伝統に輝く半世紀の青山
【主な行事・企画】

◆ 正門を装飾 “祝賀門”

祝賀門
創立50周年記念祝賀門

◆ 祝賀式

25年以上勤続教員表彰
25年以上勤続教員表彰
    〈挨拶者〉
     石坂正信院長式辞
     文部大臣鳩山一郎閣下祝辞
     アメリカ大使祝辞
     東京府知事閣下祝辞
     キリスト教教育同盟会理事祝辞
     メソジスト監督教会監督祝辞
     日本メソジスト教会監督祝辞
     青山学院校友会会長祝辞
     在校生代表祝辞

    ・2部構成
    ・25年以上勤続教員表彰

※現在も踏襲している青山学院創立記念式典の原型が見られます。

 

◆ 提燈行列

提燈行列

神学部、高等学部、中学部の学生・生徒のうち運動部が中心となり、“数千の学生をもって提燈行列の一大デモンストレーションを決行”

夕6時ころ、友清中佐が先導し、渋谷一帯を一巡し、明治神宮を参拝した
9時ごろ校庭に帰着

※しばらく前まで大学青山祭で行っていた提燈行列の原型が見られます。

 

◆ 大運動会

大運動会

神学部、高等学部、中学部の学生・生徒に加え、教職員も参加
通常の陸上競技種目のほか、今では見られない面白い種目「どじょう握り」「風船競争」「先生のリレー」

 

◆ 記念子供大会

記念子供大会

童話部の学生による、童話の語りや音楽や舞踊、童話劇の披露。1000名を超える児童と家族が来場

 

◆ 音楽会

音楽会

青山会館にて開催。音楽部の学生らによる独唱、合唱、ピアノ演奏ほか

 

◆ そのほかの主なもの
・“校友が中心となり、近所の家に提灯と紅白の幕を掲げてもらい、我らと同じ気持ちで祝意を表してくれた”
50年史の編纂

    “400頁に餘る記念誌”

アルバムの作成

    “参列者一般にスーヴェニアとして差し上げた”

全職員に担当が割り当てられ、学生委員とともに活動
中学部文芸会

    中学部生徒の英語・日本語演説、劇、合奏など

中学部生徒のための著名人講演会

    佐々木邦氏(作家、校友)、鈴木文助氏(東京帝国大学教授、校友)

高等学部の英語劇(3作上演)

    日本青年館で開催。一般の観衆も含め収容定員5000名以上が会場にあふれた

高等学部大講演会

    米山梅吉氏(校友)「自力更生」、森本厚吉博士(北海道帝国大学教授)「世界文化の動き」

展覧会

    校友・関係者の書、出版物、油絵、絵、写真など

校友会総会 提燈行列を見送るシーンの描写

    “夜気迫る中母校愛に燃ゆる数千の学徒、その胸に燃ゆるシンボルの火を打ちかざしつつ打て出づる光景は、かつてはしかる時代もありしと、若き日の思い出を胸に秘めて、感激の目を輝かして、見送る校友数百の眼はただ喜びの涙である。”

 

創立75周年 1949年

前回の記事の通り、この年1949年に新制大学が開学し、1874年創設の女子小学校を起点とした創立年を定め、創立75周年を迎えました。
大学が開学して初めての周年記念行事です。
戦後まもなくの頃であり、「青山学報」も休刊中で、代わりとなる「青山学院新聞」に掲載されていた記事からご紹介します。
すべて学生(大学、男子高等部、女子高等部)の手によって運営された(おそらく「記念式典」は除く」)と記録されています。
残されている写真が少なく、テキストのみのご紹介です。

 

【主な行事・企画】

◆ 総合記念行事「展覧会」「音楽会」「大運動会」 

    “これまで同じ校内にありながら各部別々に行われていた行事がこの時初めて全校合同主催で総合展覧会、音楽会、大運動会などを実現した。” 『青山女学院史』より

◆ 記念式典

    高等部講堂にて開催

◆ 学院史劇 上映

    大学ESSによる、本多庸一先生当時の苦心、学院で起こった主要事件を通して学院の歴史と精神を表した三幕構成の劇

◆ 大学卓球部 トーナメント戦

    学部対抗トーナメント戦
    オール青山教職員トーナメント戦 “大学教授から初等部の小使さんまで”

◆ そのほかの主なもの
女子専門学校、男子高等部、女子高等部、中等部

    バザー、映画上映、音楽会、人形劇、演劇、講演会、討論会、ポマード製造購買ほか

 

創立100周年 1974年

大木金次郎院長が委員長を務める創立100周年記念事業委員会が立ち上がり、様々な行事・イベント等が行われました。

◆ 記念式典

100周年記念式典
    〈挨拶者〉

      文部大臣
      オハイオウエスレアン大学ウェンズロー総長
      坂田道太衆議院議員(校友)
      全私学連合代表
      米国メソジスト教会宣教部東洋部長
      キリスト教教育同盟代表
      校友会代表

    ・7200名参列(在校生4100、教職員1000、在校生父兄900、来賓1200)
    ・名誉学位贈呈 オハイオウエスレアン大学ウェンズロー総長
    ・100周年祝典歌 団伊玖磨作曲
    ・永年勤続教職員表彰
    ・参加者にお土産(デジタルクロック、絵葉書、「100年史写真集」、「青山学報」、「月刊あおやま」)
    ・在校生に記念メダルを配付

◆ 記念パーティ

    式典後開催

◆ 学院史料展覧会

    会場:ウェスレーホール。学院史資料、キリスト教関係書、本邦初期英語・英文学図書の展示

◆ 青山学院総合体育祭

青山学院総合体育祭
    10/5綱島グラウンドにて開催。幼稚園・初等部・中等部・高等部・女子短期大学・大学から4000名が参加

◆ 記念馬術大会

記念馬術大会
    10/6馬事公苑にて開催。学院史上初めてのイベント。他大学6校も参加しての競技大会

◆ ポピュラー音楽会

ポピュラー音楽会
    11/17青山学院記念館にて開催。OBのタレントが出演。6000名の聴衆
    〈司会〉ジェリー藤尾
    〈出演〉小鳩くるみ、ビリーバンバン、渡哲也、竹脇無我、浜口庫之助ほか

◆ 邦楽邦舞の会

邦楽邦舞の会
    11/7青山学院講堂にて開催。歌舞伎座から大道具を、国際劇場から置舞台などを運び込む。卒業生の梨園関係者が出演
    〈解説〉竹脇無我
    〈出演〉中村芝翫、尾上菊之丞、片岡孝夫、花柳寿輔、中村福助、坂東蓑助ほか

◆ 物故歴代院長ならびに学院功労者の墓前に献花

    12/23小平霊園他にて

◆ 創立100周年記念宣教大会

記念宣教大会
    11/3大学礼拝堂にて開催。宗教センター、青山学院宗教主任会主催。350名以上の聴衆

◆ 大学山岳部 ヒマラヤ遠征

    9~10月、ヒマルチェリ(標高7893m)に未踏ルートでアタック
    残念ながらあと一歩のところで登頂ならず

◆ オラトリオソサイエティ合唱団公演

    10/18青山学院講堂にて開催。奥田耕天指揮

◆ グリーン・ハーモニー合唱団演奏会

グリーン・ハーモニー合唱団演奏会
    12/7東京文化会館にて開催

◆ クラシック・コンサート

クラシック・コンサート
    11/5青山学院講堂にて開催。読売日本交響楽団による演奏。1800名の観衆 

◆ 青山学院100年史写真集

青山学院100年史写真集
    1975.3.15刊行。B5判120ページ
    歴史の部分は正史である「90年史」に拠り、写真を多く取り入れている

◆ 記録映画『青山学院 ―100年を迎えて』

    中心テーマ「キリスト教主義による学校」「一貫教育」「英語教育」の特長をもつ学園の紹介と歴史の紹介
    大木院長が中心となり、映画スタッフ(NET朝日)の協力のもと作成
    製作費500万円、「みかずき会」から寄付をいただく
    29分、16mmカラーフィルム1巻6万円、8mmカラーフィルム1巻4万円で販売

◆ 記念レコード

    制作:青山学院創立100周年記念事業委員会レコード制作部会
    企画・監修:浜口庫之助、筒美京平
    30cmLP版2枚組、1974年6月発売
    “青山学院の歌、カレッジ・ソング、旧女学院の歌、旧中学部校歌などのほか、讃美歌をはじめ、懐かしい“うた”の数々をOB、学生、生徒たちが歌いました”
    予約特価5000円(定価5500円)

◆ 記念スタンプ

記念スタンプ
    郵便物の消印作成。学内に郵便車が出張し記念スタンプ消印を販売

◆ 青山学院校歌を制定

校歌発表会
校歌発表会 マイクの前に立つ大木院長、右に立つのが平岡氏

 

〈経緯〉

    校歌制作委員会発足
    一般募集し、40数編の応募あり。しかし第一席の作品がなかった
    佳作1点をもとに、専門家1名に依頼して推敲した方がよい、との結論に
    東京女子大学の笹渕友一氏(日本学術会議で恩賜賞受賞)に依頼
    笹渕氏も、他人の作品に筆を入れることを辞退され、委員会は解散した
    時を経て、再び校歌の必要性が高まり、常務委員会が審査にあたることとし、一般公募した
    12・3編の応募があったが、またしても第一席はなかった
    そこで、大木院長が自ら夏休み期間を利用し、作詞に専念した
    応援歌としても使用できるように
    大木院長が作曲者に平岡精二氏を指名(作曲者として当代の軽音楽界の新進の第一人者。平岡氏作詞・作曲の「学生時代」がヒット、かつて大木院長のゼミナールに所属)
    大木院長談“平岡自身からも種々の要求が出され、さすがのかれの若い感覚と専門的な批判に屈して歌詞の改訂をいくたびか行った”
    その後、理事会において承認された
    10/24に校歌発表会が行われ、参会者全員に記念の校歌ソノシートが配られた

◆ 校友会祝賀パーティ

校友会祝賀パーティ
    11/15京王プラザホテルにて開催。会費5000円

 

創立150周年 2024年

100周年では、懐かしい方々のお名前も出て来ました。
この後、5年刻みの節目で、特に120周年、125周年では、大きな行事・イベントを行ってきました。

さて、3年後の2024年に迎える青山学院創立150周年。
記念式典を含め、どのような行事・イベントが行われるのか、今から楽しみです。
青山学院150年の歴史の中での先人の苦労や努力に思いをいたし、その精神を忘れずに、そして在校生の思い出となり、校友の皆さんにとってステータスとなり、青山学院に働く者にとって誇りとなり、永遠に語り継がれる行事・イベントが行われることでしょう。

 

 

〈参考文献〉
『青山学院一五〇年史』資料編Ⅱ 2021年 学校法人青山学院
『青山女学院史』1973年 青山さゆり会 
『青山学院100年 1874-1974』1975年 学校法人青山学院
『青山学院120年』1996年 学校法人青山学院
『青山学院大学五十年史』2010年 青山学院大学
「青山学報」各号
「青山学院新聞」各号