Variety いろいろ

放課後819倶楽部【第1回】始動! 

説明しよう!

放課後819(ハチイチキュー)倶楽部とは——
俳句を1から楽しく学ぶことをコンセプトに立ち上がったwebサイト上の倶楽部である。

紹介しよう!

倶楽部員は2人。

顧問は青山学院中等部の国語科教諭、林謙二先生。
第1回の倶楽部活動の様子をここに報告しよう。
(なお、倶楽部活動はリアルと仮想の両方で行われる。)

倶楽部生の紹介

林先生 放課後819倶楽部第1回の倶楽部活動を始めます。まずは倶楽部生の2人、自己紹介をしてください

はんな はんなです。よろしくお願いします

さとは さとはです。よろしくお願いします

林先生 顧問の私が聞くのもなんだけど、俳句に興味をもったのはなぜ?

さとは 今、実は韓国に興味があって、韓国について調べ、いろいろな文化に触れたのですが、そうしたら自分が住んでいる日本のことがどんどん気になって、知りたいなって。俳句も一つの日本文化かなと思ったので

林先生 えっ! 意外と深い!! 以前聞いた時には、俳句、楽そうとか言っていたのに

さとは せんせいぃ! 

はんな 先生! 

林先生 ごっ、ごめんなさい

さとは でも実は楽かもって気持ちもちょっとあって。勉強はあんまり好きじゃないから……

林先生 正直でよろしい。でも俳句が、日本らしいという意識がちゃんとあったわけだね。すごい、すごい! うーん(はんなさんを見る)プレッシャーだよね。この展開は

はんな わたしは、もともと文章が好きで、書くのも読むのも好きなので、その延長線で俳句に興味を持つようになりました

林先生 なるほど! はんなさんの理由もすばらしいね。それじゃあ俳句で表現したいのは、どういうこと? パッと思い浮かぶ?

はんな わたしは景色に映る色がとても好きなので、その色の鮮やかさが表現できるようになったらいいな、と思っています

鮮やかな景色)

 

鮮やかな景色(イメージ)

 

 

さとは はんなちゃん、素敵! わたしは、人の気持ちの方が好きなので、色んな人の気持ちを表現できるようになりたいです
鮮やかな景色)

 

人の気持ちの鮮やかさ(イメージ)

 

 

林先生 方向性で行くと、さとはさんの場合は「気持ち」って言ったけど、例えば「悲しい」とか「楽しい」とかいう気持ちを直接書くんじゃなくて、その言葉を入れないで、読んでいる人に、この人は今「悲しいんだろうな」とか「楽しいんだろうな」というのを読み取らせる。それが、さとはさんの目指す俳句だね

さとは はい

林先生 一方で、はんなさんの場合は、色を表現したいのだから、まさに写実の句を作る。見た光景を見たまま。でもそれを写真じゃなくて言葉に変えて表現する。そして、それを他の人が読んだ時に同じような光景が目に浮かぶかどうか、というのが、はんなさんの作りたい句の方向性だね。
そこが勝負所になる。

はんな はい

819倶楽部)

俳句について

林先生 感情と情景。2人とも方向性が違うのが良いですね。それでは早速、俳句って何なのか説明してみましょう。まず俳句は、一言で言うと
俳句とは

世界で一番短い文学です

 

林先生 五・七・五のわずか十七音で作られる俳句。それより短い文学は世界中どこを探してもありません。だから、世界的にも俳句は注目されていて、海外の人が俳句を作るというケースもあります

さとは 海外の方々はどうやって五・七・五を詠むんですか?

林先生 海外の方々は季語を入れるとか、五・七・五のリズムというのはなく、とにかく短く何かを表現する=俳句、として詠んでいます。ちなみに日本にも俳人協会とは別に国際俳句交流協会(Haiku International Association)という団体があって、俳句を世界的に詠みましょうという人々が集っています

はんな すごいですね、俳句って

林先生 そうだね。国際的にも拡がりを見せ、様々な言語で詠まれる俳句だけど、やはり日本では、五・七・五というリズムをとにかく大事にしているんだ

はんな そう言えば、どうして五と七なんですか? 四と六とか三と七ではなくて

林先生 良い質問だね。これにはいろいろな説があるんだけど。例えば、安定している二等辺三角形の辺の長さは「1:1:ルート2」で、それを整数にすると「5:5:約7」になる。このように5と7はいろいろなところで使われているんだ。その他にも

なぜ五と七なのか?
  • 日本人にとって心地よく感じられるから
  • 童謡や、歌謡曲にもみられるリズムで耳馴染みがいいから

 

はんな なるほど! わたしたちの生活の中で心地よいとされる五と七のリズムを俳句でも使っているんですね
林先生 その通り!そして俳句のリズム感と共に大切にしているもう一つの決まり、季語については次回お話しましょう
今回のまとめ
  • 俳句は世界一短い文学
  • 最近は国際的にも俳句が注目されている
  • 五と七のリズムは日常生活や童謡でも多く用いられている
  • 俳句を詠むときは五と七のリズムを大切にしよう

 

(次回に続く)