青山学院の四季彩-グリーンパーティーへようこそ-冬の星-前編
2019/12/20
青山キャンパス大学17号館の角を曲がると、堂々たるヒマラヤ杉が2本、目に入った。
食欲の秋が去った今、実をつける木々の少ない悲しい季節。
お腹も懐も寂しいが、見るだけでなんとなく満たされる、木。
寝坊した朝の空腹感からか、広報部・聖(ひじり)はきらめくものを感じた。
そうだこれしかない!!
俄然やる気になって中等部・緑信会顧問の林謙二先生に連絡を取った。
2019年11月某日――。
中等部祭も終わり、いよいよ定期試験だ!
というにはまだ少し早い、そんな小休止のような火曜日。
中等部生たちはみんななんだか楽しそうに帰っていく。
微笑ましい下校風景を眺めていると、メンバーが集まってきた。
おおっ、増えている。嬉しいことにグリーンパーティーのメンバーが増えている!!
感涙にむせびそうになりながら、グリーンハント(※緑を見に行く)の説明をする――
と、みんな素直にうなずいてくれた。
突然ですが、ここでグリーンパーティーの新メンバーを紹介します。
目を輝かせながら見つめるみんなの前で、
「今回のグリーンハントはヒマラヤ杉とモミの木です、寝坊した朝に思いつきました。理由は、美味しそうだったからです」
とは言えず……。
中等部の門を出ると、途端に冷たい空気に包まれた。
アイビー通りを縫うようにはしる歩道には、校舎の塀が影を作り、いっそう寒く感じる。
季節は晩秋から一気に冷たい冬に向かおうとしている。
東門、通称・“幼稚園門”が見えてきた。
門をくぐると、花とみどりに彩られた幼稚園が左手に見える。
鮮やかな植物が幼稚園を護るようにして咲いているのを見ると
なんだかこちらまで温かくなってくるから不思議だ。
遠くに見えるベリーホール近くのヒマラヤ杉を見上げた。
ここ幼稚園門から構内の中心部まではゆるやかだけど、上り坂になっている。
そのため、わずか3階建てのベリーホールも、そばに生えるヒマラヤ杉も見上げる形になる。
立ち止まると、みんなが不思議そうな顔をした。
(後編に続く)